弊社は静岡県浜松市に拠点を置いているのですが、同じ県内の静岡駅周辺のイルミネーションをじっくり見る機会は、実はこれまであまりありませんでした。

今回、改めて現地を訪れ、視察を行ってきましたので、レポートさせていただきます。



まず感じたのは、とにかくエリアが広いということ。
スケール感のある街区を活かしたイルミネーション展開が印象的でした。

本記事では、特に印象に残った3つのエリアをご紹介します。





■静岡市役所 静岡庁舎 ウォールイルミツリー

RGBストリングスに、シューティングタイプのストリングスを組み合わせた演出です。

構造自体は非常にシンプルですが、建物壁面を活かしたスケールの大きさが際立っており、遠目からでもとても強い存在感があります。
視覚的なインパクトが大きく、非常に見応えのあるスポットでした。

https://www.youtube.com/shorts/x5yIWT-94U4

動画も撮影していますので、ぜひご覧ください。

マルチカラーをフラッシュ点滅させる制御を行っているように見受けられました。




■葵スクエア ハートアーチ

木製の造作による、ハート型のアーチです。
ハートの輪郭に沿うように、ロープライトが丁寧に配されています。


少し話がそれるのですが、

イルミネーションを初めて導入されるお客様に、よくお伝えしているのが
「どこかに“とっかかり”が必要になる」という点です。

イルミネーションの設置には、ワイヤーやインシュロック(結束バンド)などを使用し、フック・柱・手すりといった構造物に結び付けることで固定します。

裏を返せば、そうした“とっかかり”が存在しない場所では、そのままではイルミネーションを固定することができません。

そのような場合に活躍するのが、マウントベースです。

裏面が両面テープ仕様になっているため、
つるつるした面や固定点のない場所でも、貼り付けることでワイヤーや結束バンドを使用した設置が可能になります。


こちらのハートのオブジェにも、マウントベースが使用されていました。





■クリスマスマーケット

クリスマスマーケットの突き当たりに設置されていたのが、こちらのツリーです。
イルミネーションにおいてツリーは定番の存在ですが、その中でどのように個性を出すかが重要になります。


このツリーの特徴は、以下の点にあります。

・オーナメントボールは赤色(大)とゴールド(小)の2種類に限定

・イルミネーションにはゴールドの集光球を使用


色数や要素をあえて絞ることで、統一感とゴージャス感を両立させています。
無駄をそぎ落とした、非常に洗練された印象のツリーです。


集光球について説明させていただきます。


集光球は、光が一点に集まるため、キラキラとした輝きが強調されます。
一方、拡散球はLEDから全体に光が広がるため明るく見えますが、集光球と比べるとやや柔らかく、ぼんやりとした印象になります。
ただし集光球は、裏を返せば光って見える面積が少ないため、球数が少ないと寂しい印象になりがちです。


ただ、今回のツリーは、球数自体は決して多くありません。
それにもかかわらず、まったく物足りなさを感じさせない理由があります。


このクリスマスマーケット周辺は、飲食店舗の照明や、頭上に設置されたフィラメントボールによって、すでに十分な明るさがあります。
加えて、ツリーに多数配置されたオーナメントボールが、集光球や周囲の光を反射し、輝きを増幅させています。


その結果、球数を抑えながらも、非常にゴージャスな印象を生み出しています。
コストと演出効果を高い次元で両立させた、計算されたイルミネーションツリーだと感じました。

個人的に大好きなイルミネーションツリーです。




■終わりに


今回の視察を通して改めて感じたのは、
イルミネーションは球数や規模の大小だけで決まるものではないということです。


もちろん球数が多いほど、イルミネーションの迫力は増します。
ただ、周囲の明るさや空間の広さ、建物の形状、どんな光を、どこに、どのくらい使うか。
それらを整理しながら組み立てていくことで、イルミネーションは単なる装飾ではなく、空間を構成するための設計要素になります。


私たちは「とにかく光らせる」のではなく、その場所にとって一番きれいに見えるバランスを考えながら、無理のない球数・構成で空間づくりを行っています。


今回の視察で得た気づきも、今後の提案や施工にしっかりと活かしていきます。
イルミネーションについて気になることがあれば、お気軽にご相談ください。




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