今回、北海道・札幌エリアを中心に複数のイルミネーションを視察しました。


滞在中の最高気温はマイナス3度ほどで、屋外に長時間立つだけでも寒さを実感する環境でした。
北海道のみなさんは、この寒い中、施工や撤去をするのですよね、、、頭が下がります。



■赤れんがテラス(アカプラ)


赤れんがテラス周辺では、イチョウ並木を中心とした大規模な装飾が行われていました。
両側で約20本程度の並木に、約4万球のLEDが使用されています。



使用されていたのは、Twinkly
音楽と連動した点灯制御が行われ、数分単位で演出が切り替わります。

昨年は青と白を基調とした、DMXによる制御だったとのことです。
今年は同系色でまとめつつ、制御の自由度を高めた構成に変わっていました。




駅前通り(札幌駅前通)

札幌駅から大通まで続く駅前通りのイルミネーションは、毎年白一色で構成されています。
点灯は常点のみで、制御による演出は行われていません。



それでも、この通りは毎年きれいだと感じます。

駅前は碁盤の目のように道路が直角に交差し、街路樹もきれいに等間隔で並んでいます。
もともと「まっすぐ」「そろっている」場所に、同じ色の光が重なる構成です。



人は、こうした秩序のある景色に、無意識に安心感を覚えるのかもしれません。
白一色という選択も、その整った構造を邪魔しないためのものに見えます。



特別な演出がなくても成立しているのは、
何かを足したからではなく、余計なことをしていないからだと感じました。




白い恋人パーク



建物のヨーロッパ調の雰囲気には、やはり電球色の光がよく合っていると感じました。


周囲を見渡すと外国人観光客も多く、足を止めて写真を撮る姿があちこちで見られます。



全体のつくりは、統一感を強く意識するというよりも、まずは場をにぎやかに見せることを優先している印象です。

ロンドンバスもロープライトで装飾されています。

これ、楽しいですね。好きです。


点灯は16時頃から始まり、空が完全に暗くなる前の時間帯から光が立ち上がります。
薄暮の中で徐々に見え方が変わっていく様子は、この土地ならではの時間の使い方だと感じました。





■最後に

今回の視察を通して、イルミネーションの見え方は、
演出手法や球数といった表面的な要素だけで決まるものではないと感じました。


雪や寒さ、街の構造、日常の使われ方。
そうした前提をどう受け止めるかが、光の置き方や距離感に大きく影響しているように見えます。


私たちにとっては非日常に映る雪景色も、道民の方にとっては日常の延長にあります。
その前提の違いが、光を強く主張させすぎない見せ方や、白や青を基調とした色選びにつながっているように感じました。
いわゆる雪灯のように、光が景色の一部として存在している印象です。



一方で、施工や撤去のことを考えると、雪の中で成り立たせるイルミネーションは決して容易ではありません。
安全面や作業性を含め、現場ごとの判断が求められる仕事であることも、視察を通して改めて意識させられました。

浜松・静岡のように、ほとんど雪のない地域でイルミネーションの企画や施工を行う立場から見ると、
北海道の手法をそのまま当てはめることはできません。

たとえば浜松では、冬に強い北西風が吹き、人が長時間屋外に滞留しにくい環境があります。
また、海に近いエリアでは潮風の影響も受けやすく、設置期間や使用する部材、配置の考え方にも配慮が必要です。



そうした条件を踏まえたうえで、
立ち止まって見る演出が適しているのか、
歩きながらでも印象に残る光がよいのか。
あるいは、目立たせるよりも街並みに溶け込ませる方がよいのか。
演出を考える前に環境を整理することが、企画の質を左右すると感じています。



今回の視察は、イルミネーションと環境の向き合い方について、改めて考えるきっかけになりました。



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