イルミネーションは、冬に向けて一気に準備するものだと思われがちです。
ただ、実際の現場では、出来栄えの差は冬ではなく、それ以前の過ごし方で生まれます。

企画の進め方や判断の順番が整理されているかどうか。
その積み重ねが、最終的なイルミネーションの品質に影響します。

ここでは、イルミネーション企画会社・施工会社として現場に関わる立場から、
無理が出にくく、結果が安定しやすい年間スケジュールを整理します。
特定の手法を勧めるものではなく、考え方の整理として読んでいただければと思います。






■1〜2月|シーズン直後の振り返りを行う


イルミネーションが終了した直後は、企画を考えるうえで重要な時期です。
現場の記憶や来場者の動きが、まだ具体的に残っています。


・どこで立ち止まる人が多かったか。
・写真を撮られていたのはどの位置だったか。
・想定していた動線は、実際に機能していたか。



こうした点は、後から資料だけを見返しても拾いきれません。
感覚として残っているうちに整理しておくことが、次につながります。





3月|継続と変更の線引きを行う



振り返りをもとに、3月頃までには方向性を整理します。
すべてを変える必要があるのか、一部を調整するのか。
あるいは、前年の構成を基本として微調整するのか。



イルミネーション企画では、「変える判断」だけでなく、
「変えない判断」も同じくらい重要になります。


定番として定着した装飾や、毎年期待されている要素は、
無理に動かさない方が良い場合もあります。
この線引きを早めに行うことで、後の検討が整理しやすくなります。




4〜5月|企画の骨格を組み立てる



春先は、企画全体の設計を行う時期です。
この段階では、具体的な商品選定よりも、考え方の整理が中心になります。

・どこを見せ場にするのか。
・一か所に集約するのか、回遊させる構成にするのか。
・写真を撮られる前提で考えるのか、空間演出を重視するのか。


イルミネーションのトレンドを意識しつつも、
施設や場所に合わない要素を無理に取り入れない判断も必要です。
企画会社としては、この時点で全体像が描けている状態が理想です。




6月|仕様検討と現実的な落とし込み



全体の構成が見えてきたら、6月頃から具体的な仕様検討に入ります。
使用するイルミネーション商品や、サイズ感、色味の検討です。



既製品で対応できる部分と、そうでない部分を切り分けます。
特注対応が必要な場合は、設計や固定方法まで含めて検討が必要になります。



特注品は、製作期間だけでなく、企画段階の検討時間も必要です。
この時期に余裕を持って検討できるかどうかが、最終的な仕上がりに影響します。




7月|仕様を固め、実行段階へ移行する



7月頃には、仕様をほぼ確定させておくのが理想です。
使用する商品構成や設置方法が整理されている状態です。



施工を伴う場合は、安全面や作業手順もここで確認します。
施工会社としては、事前に条件が整理されているほど、現場での調整が少なくなります。



この段階まで進んでいれば、秋以降は大きな変更をせず、調整に集中できます。




8月|発注とスケジュール調整を行う



8月は、実行に向けた準備を整える時期です。
イルミネーション商品の発注や、製作スケジュールの確認を行います。



施工が必要な場合は、施工日の調整も進めます。
繁忙期に入る前にスケジュールを整理しておくことで、後工程の負担を減らすことができます。



販売・施工の両面を考えると、この時期の整理は重要です。




9〜10月|最終確認と現場条件の整理



秋に入ると、現場条件の最終確認を行います。
寸法や電源位置、設置環境の再確認です。



この段階での確認不足は、施工当日の調整につながります。
細かな点ですが、積み重なると品質に影響します。



企画会社・施工会社の立場としては、この時点で大きな不安要素が残っていない状態が理想です。




11月|設営・点灯・微調整



11月は、設営と点灯の時期です。
ここでは新しい判断を増やさず、準備してきた内容を実行します。



点灯後は、見え方や動線を確認し、必要に応じて微調整を行います。
余裕があれば、写真の撮られ方や人の流れも確認しておきます。




12月|運用と次への視点を持つ



点灯期間中は、運用しながら観察することが大切です。
どこで人が集まり、どこを素通りしているのか。
SNSなどでどのように写っているのか。


これらは、次年度の企画にそのまま活かせる情報です。
イルミネーションの品質は、こうした地道な確認の積み重ねで安定していきます。





まとめ|理想と現実のあいだで、どう向き合うか



ここまで、理想的な年間スケジュールとして整理してきましたが、
正直なところ、毎年この通りに進むケースばかりではありません。


イルミネーションは、多くの施設や企業にとってあくまでイベントの一つです。
通常業務があるなかで、どうしても後手に回ってしまうこともあります。


実際の現場では、
「気づいたらもう夏だった」
「本当はもう少し早く動きたかった」
という状況も珍しくありません。


それ自体が悪いわけではなく、限られた時間や条件のなかで判断していくのが現実だと思います。


大切なのは、
理想通りに進められなかったとしても、
その時点でできる最善を考えることです。


どのタイミングであっても、
ご相談いただければ、状況に応じた形で整理し、現実的な選択肢をご提案することは可能です。


イルミネーションの品質は、完璧な計画だけで決まるものではありません。
その時々の条件と、どう向き合ったかが結果に表れます。


このページが、
「少し早めに考えてみようか」
あるいは
「今からでも整理してみよう」
と思うきっかけになれば、それで十分です。


あとは、それぞれの立場や状況に合わせて、無理のない判断をしていただければと思います。


弊社は、浜松を拠点に企画・商品選定・販売・施工まで一通り関わっているイルミネーション会社です。
品質や条件に向き合いながら、必要なタイミングで現実的な整理をお手伝いできればと考えています。



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