イルミネーションの繁忙期も一段落し、弊社としても昨シーズンの振り返りを進めているところです。


毎年、企画から商品選定、施工まで一通り終えたあと、
「ここはもう少しこうできたかもしれない」
「別の判断もあったのではないか」

と考える点がいくつか残ります。


大きなトラブルがあったわけではなく、実際には多くの現場で無事に納品・施工を終えています。
それでも、現場に立つ立場としては、細かな判断や確認の積み重ねについて、振り返る余地は常にあると感じています。


本コラムでは、そうした振り返りの中から、
イルミネーション施工において一般的に起こりやすい判断のズレや、弊社としても改めて意識しておきたいポイントを整理します。


特定の失敗を挙げるものではなく、
現場に関わる立場だからこそ見えてくる「気をつけたい視点」を共有する内容です。
これからイルミネーション企画や施工を検討される際の、一つの参考として読んでいただければと思います。






支柱間が均等だと思い込んでしまう


図面や事前資料、写真では、支柱が等間隔に並んでいるように見えることがあります。
ただ、実際に現場で測ると、微妙に間隔が違っているケースは珍しくありません。


ここでは支柱と表現しましたが、フェンスや柵の寸法も同様です。


数センチから十数センチの差であっても、イルミネーションではそのズレが視覚的に表れます。
設置自体は問題なく進んでも、全体を見たときにリズムが崩れて見えることがあります。




地面の勾配を想定していなかった


遠目では水平に見える地面でも、実際には緩やかな勾配がある場合があります。
この勾配を考慮せずに施工を進めると、柱の高さが結果的に揃わなくなります。


その状態でストリングスライトを巻き付けると、
ピッチを揃えようとした段階で長さが足りなくなります。
途中で調整を入れることになり、仕上がりにムラが出る原因になります。



電源部分が想定より目立ってしまう



電源の位置が、人の視線が集まる場所にあることもあります。
施工段階でそれに気づいても、コードの取り回しで完全に隠すのが難しい場合があります。


防水ボックスを使用しても、想定していたよりコードが多く、中に収まりきらないこともあります。


結果として、処理の甘さが見えてしまいます。





電源プラグの形状を想定しきれなかった



電源周りでは、プラグの形状が想定と違うこともあります。
たとえば、ACアダプタ一体型や横幅のあるプラグの場合、
一つのコンセントに差込口が二つあっても、
片方を使用した時点で、隣の差込口が物理的に使えなくなるケースです。

三角タップを重ねて対応すること自体は可能ですが、接続部に隙間が生じやすく、
ホコリや湿気が溜まることで漏電リスクを高める可能性があります。
そのため、恒常的な対応としては、望ましい方法とは言えません。


事前に見落としやすいポイントです。




■風を受ける場所での固定方法


屋外施工では、風の影響をどう見るかが重要になります。
軽いワイヤーで問題ないと判断した結果、強風時にちぎれてしまうことがあります。


施工直後は問題がなくても、時間が経ってから不具合が出るのが厄介です。
固定方法は、見た目以上に慎重な判断が求められます。




企画担当と施工担当の認識の違い


企画担当が思い描いていた設置位置と、施工担当が理解していた位置が違うケースもあります。

言葉では共有していても、細かいニュアンスが伝わらないことがあります。


その結果、「間違ってはいないが、意図とも違う」仕上がりになることがあります。




「去年と同じ」が引き起こすズレ



「去年と同じで」という言葉は便利ですが、
担当者が変わっている場合は特に、その中身が共有されていないことがあります。


去年と同じ位置でも、周囲の環境や条件が変わっていることもあります。
結果として、意図せず違う印象になることがあります。




更新されていない図面を使ってしまう


ひとつ前の「去年と同じ」に付随した内容になります。

図面は用意されていても、最新の状態でないことがあります。
現場で修正を入れて対応しても、その内容が記録に残らないことがあります。


翌年、同じ図面を使って再び混乱が起きる。
この繰り返しは、決して珍しい話ではありません。



「たぶん大丈夫」が積み重なる怖さ


施工現場では、「たぶん大丈夫」という判断が重なりがちです。
特に固定方法や耐久面では、その積み重ねが後から問題になります。


風にあおられ、モチーフが飛んでしまうケースもあります。
一つ一つは小さな判断でも、結果は大きくなります。






まとめ



ここまで、施工の現場で起こりやすい判断のズレについて整理してきましたが、
正直なところ、イルミネーションには
「光っていれば、だいたい成立してしまう」側面もあります。


施工側や企画側から見ると気になる点でも、
実際に足を運ぶお客さまにとっては、ほとんど意識されない部分も少なくありません。


それほどまでに、イルミネーションが持つ期間限定の非日常感の力は強く、
空間全体の印象を一気に引き上げてくれます。




一方で、特に屋外のイルミネーションでは、設置して終わりという現場はほとんどありません。
点灯期間中に何らかのメンテナンスや補修、補強作業に入ることは、実務上、ある程度前提として考えています。

そのため、最初からそうした対応を見込んだ予算を組んでいるケースもあります。
これは、想定外を減らすための現実的な判断でもあります。


ただ、それに甘えて、事前の確認や準備を省いてしまうのは本来の姿ではありません。
準備と現場対応の両方があって、はじめて安定した品質につながります。



今回の記事は、施工の失敗を強調するためのものではなく、
現場に関わる立場として、改めて意識しておきたいポイントを整理したものです。



浜松を拠点に、イルミネーションの企画から商品選定、販売、施工まで関わる立場として、
施工についても含めた判断を企画段階から整理しておくことの重要性を、日々感じています。


イルミネーションの企画や施工を考える際に、何か一つでも参考になる点があれば幸いです。




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