この記事では、商業施設・自治体施設・公園・駅前広場などで、樹木を使ったイルミネーション装飾を検討する方向けに、
樹種ごとの見え方や球数の目安を整理します。

樹木イルミネーションは、樹木の種類と装飾方法を先に確認しておくと、冬の仕上がりを想定しやすくなります。
特に、針葉樹か広葉樹か、冬に葉が残るか落ちるか、幹に巻くのか枝先まで光を入れるのかで、
見え方と必要な球数は大きく変わります。


夏前の現地確認は、冬の完成形を決め切るためではなく、装飾に向く樹木と方法を早めに見極めるための準備です。
イルミネーション全体の進め方は、年間スケジュールの記事でも整理しています。

【コラム】イルミネーション企画の理想的な年間スケジュール – やまと興業 商品部




■樹木イルミネーションでは何を見るのか


樹木イルミネーションは、木があるだけで成立する装飾ではありません。
ここでいう樹木イルミネーションの条件とは、
樹木の種類、幹の太さ、枝の広がり、葉の残り方、装飾方法、必要な球数まで含めた計画条件です。


同じ高さの木でも、幹が太く枝が少ない木と、細い枝が全体に広がる木では、向いている装飾が変わります。
幹を中心に見せるのか、枝先まで光を伸ばすのか、樹木全体を光の面として見せるのかによって、印象も施工量も変わります。


ストリングスライトは、樹木装飾でよく使われる基本的なライトです。
ただし、取り付け方は一つではありません。
幹に巻く、枝に沿わせる、縦方向にラインを作る、格子状に見せる、枝葉全体にネットをかぶせるように配置するなど、
同じライトでも見え方は大きく変わります。


商業施設や駅前広場では、近くで見られることが多いため、
幹まわりの密度や低い位置の仕上がりが印象に影響します。
公園や街路では、少し離れた場所から見ることも多いため、枝先や樹木全体の輪郭をどう出すかが大切になります。


イルミネーション企画では、先に球数を決めるより、どのように見せたいかを整理した方が進めやすくなります。
落ち着いた印象にしたいのか、写真に残りやすい密度にしたいのか、遠くから見ても分かるボリュームにしたいのかで、
選ぶ装飾方法が変わります。





■針葉樹と広葉樹で見え方はどう変わるか


樹木イルミネーションで最初に分けて考えたいのが、針葉樹と広葉樹の違いです。
冬の葉の残り方が変わるため、同じライトを使っても光の見え方はかなり異なります。


針葉樹は、冬でも葉が残るものが多く、樹形が比較的はっきりしています。
モミ、マツ、コニファー類などは、円すい形や縦にまとまった形を活かしやすく、
クリスマスツリーに近い見え方を作りやすい樹木です。


針葉樹では、葉の表面に光を乗せるように装飾すると、樹木全体が光のかたまりとして見えやすくなります。
一方で、葉が密な木では、ライトが奥に入り込みすぎると外から光が見えにくくなることがあります。
表面に近い位置で光を見せるか、枝の奥行きを活かすかを考える必要があります。


広葉樹は、冬に葉が落ちる落葉樹と、冬でも葉が残る常緑広葉樹に分かれます。
落葉樹の場合、夏前に見たときは葉が茂っていても、冬の点灯時期には枝の線が目立つ状態になります。


落葉樹では、葉のボリュームではなく、幹と枝の骨格を見て計画することが大切です。
夏に大きく見える木でも、冬に葉が落ちると印象が細くなることがあります。
枝ぶりがきれいな木であれば、枝に沿わせる装飾がよく合います。


常緑広葉樹は、冬でも葉が残るため、光の面を作りやすい樹木です。
ただし、葉が広く光を遮りやすい場合もあります。
葉の外側にライトを配置するのか、樹木の輪郭をなぞるのかで印象が変わります。


つまり、夏前に見るべきなのは、現在の葉の量そのものではありません。
冬に葉が残る木なのか、落葉して枝を見せる木なのかを確認し、点灯時期の姿に合う装飾方法を選ぶことが目的です。




■ストリングスライトの巻き方には何があるか


ストリングスライトの装飾方法は、樹木の形と見せたい印象に合わせて選びます。
代表的な方法には、幹巻き、枝沿わせ、ネット状の装飾、部分巻きがあります。


幹巻きは、幹に対してらせん状にライトを巻き上げる方法です。
樹木の中心が明るくなり、足元から上へ伸びる印象を作りやすくなります。
幹が太い木や、枝が少ない木でも使いやすい基本的な方法です。


枝沿わせは、幹から枝先に向かってライトを沿わせる方法です。
落葉樹の枝ぶりを活かしやすく、冬の細い枝のラインを見せやすくなります。
枝先まで入れるほど華やかになりますが、その分、球数と施工時間は増えます。

枝葉全体にネットをかぶせるような装飾は、常緑樹や葉の残る樹木に向いています。
樹木全体を明るく見せやすく、比較的短時間でボリュームを出しやすい方法です。
一方で、枝の形を細かく見せる表現には向きにくく、昼間に器具が見えやすい場合もあります。


部分巻きは、幹の下部やシンボルになる枝だけを装飾する方法です。
球数を抑えたい場合や、樹木全体ではなく視線が集まる部分だけを明るくしたい場合に使いやすい方法です。





■樹木の高さごとの球数目安


樹木イルミネーションの球数は、高さだけで正確に決まるものではありません。
幹の太さ、枝の本数、枝先まで装飾するかどうかによって、必要な数量は変わります。


ただし、計画初期の目安として、高さごとの球数を持っておくと検討しやすくなります。
ここでは、冬の装飾としてある程度見応えを出す場合の目安として整理します。


約2mの樹木では、500球前後が一つの目安になります。
小型のコニファーや鉢植えの木で、全体に光を入れたい場合は、300球では少し控えめに見えることがあります。

約4mの樹木では、1,500球から2,000球程度を目安にすると考えやすくなります。
幹だけを軽く巻く場合は少なめでも成立しますが、
枝や樹木全体に光を広げたい場合は、1,500球以上ある方が密度を出しやすくなります。


約6m以上になると、装飾範囲の決め方がより重要になります。
幹と太い枝を中心に見せるのか、枝先まで光を入れるのかで、必要な球数が大きく変わります。


約10mの樹木では、少ない球数だと光が点在して見えやすいため、
全体の存在感を出したい場合は8,000球以上を目安に考えます。


この数量は、あくまで計画段階の目安です。
同じ4mの木でも、細い落葉樹と葉の多い常緑樹では必要な球数が変わります。
幹巻き、枝沿わせ、ネット状の装飾でも、光の密度は変わります。


費用の考え方は、装飾範囲や施工条件によって変わるため、予算に関する記事も
よろしければ参考にしてください。
【コラム】民間施設のイルミネーション予算はどう考えるか – やまと興業 商品部


樹木の写真、高さの目安、装飾したい範囲が分かると、
必要な球数や向いている巻き方は整理しやすくなります。
現地写真だけでも、初期検討の材料になります。



■なぜ夏前に樹木を確認するのか


夏前に樹木を確認する理由は、冬の完成形をその場で判断するためではありません。
装飾に使いやすい木かどうか、どの巻き方が合いそうか、どの程度の球数が必要になりそうかを早めに見極めるためです。

冬に近い時期に見れば、落葉樹の枝ぶりや点灯時期の姿は分かりやすくなります。
ただ、その時期に初めて確認すると、商品手配や施工日程の調整と同時進行になります。
樹木の状態を見て、別の木にしたい、球数を増やしたい、装飾方法を変えたいと思っても、調整できる時間が少なくなります。

夏前に見ておくと、装飾候補の木を早い段階で分けられます。
針葉樹なら全体を面で見せる、落葉樹なら枝のラインを活かす、常緑広葉樹なら葉の外側に光を乗せる、
といった方向性を整理しやすくなります。

また、夏から秋にかけて剪定が入る樹木もあります。
剪定前の状態だけで計画すると、施工時には枝の量や形が変わっている場合があります。
早めに管理者へ剪定予定を確認しておけば、装飾範囲や球数を調整しやすくなります。

商業施設、駅前、公園、街路では樹木の使い方が変わります。
見る距離、人の流れ、昼間の見え方まで含めて確認しておくと、秋以降のイルミネーション企画は進めやすくなります。




■樹木に合わせて光の入れ方を選ぶ


樹木イルミネーションは、ライトを多く付ければ必ず良く見えるわけではありません。
樹木の種類、枝の広がり、葉の残り方、見る距離に合わせて、装飾方法と球数を考えることが大切です。


針葉樹は、葉が残ることで全体を光の面として見せやすくなります。
落葉樹は、冬に葉が落ちることで幹や枝のラインが見えやすくなります。
常緑広葉樹は、葉のボリュームを活かせる一方で、光が隠れやすい場合もあります。


ストリングスライトの使い方も一つではありません。
幹に巻く、枝に沿わせる、ネット状に全体を覆う、一部分だけ巻く。
どの方法を選ぶかで、同じ樹木でも印象は大きく変わります。


夏前の現地確認では、冬の完成形を細かく決める必要はありません。
樹木の種類、装飾に向く形、必要になりそうな球数の目安を整理しておくことが大切です。


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