ちょっと前の出来事になりますが、2026年8月6日、東京ミッドタウンで開催されている
「MIDTOWN SUMMER 2026」を視察してきました。

今回の視察は時間の関係で夜まで滞在できず、見たのは日中から17時頃までです。

イルミネーション会社としては、夜のライトアップも見たいところですが
明るい時間帯だったからこそ、装飾の素材や固定方法、照明器具、配線の納まりまでよく見えました。

普段とは少し違う角度から、夏の空間演出を見てきましたので、レポートさせていただきます。


公式HPは以下
MIDTOWN SUMMER 2026 | イベント | 東京ミッドタウン


MIDTOWN SUMMER 2026とは



「MIDTOWN SUMMER 2026」は、東京ミッドタウンで2026年7月17日から8月30日まで開催されている夏季イベントです。


今年のテーマは「大人になって楽しむ夏休み」。

海や花火、ひまわりなど、誰もが持つ夏の思い出を、大人の視点で新たに楽しむイベントとして企画されています。

ミッドタウン・ガーデンやコートヤードでは、「PARASOLS GARDEN」「ASHIMIZU」「HIMAWARI-KOMICHI」など
複数の演出が行われています。


今回は、その中でも実際のイルミネーション企画や施工へ応用できそうな部分を中心に見てきました。




造花のひまわりは、集めるだけでもかなり強い



コートヤードに設置されていたのが「HIMAWARI-KOMICHI」です。

造花のひまわりと、青や水色を中心とした透け感のある布を組み合わせた装飾になっています。


公式サイトでは、ヴェール越しに変化する景色によって、それぞれの「夏の記憶」を呼び起こす空間として紹介されています。


現地で見て最初に感じたのは、単純にひまわりの「絵力」が強いということでした。


大小の造花をかなりの量まとめていますが、一つひとつに複雑な仕掛けがあるわけではありません。

それでも黄色い花がまとまって面になると、離れた場所からでもかなり目立ちます。



冬のイルミネーションでも、商品一つの派手さより、同じ素材をある程度まとめて使用した方が空間として強く見えることがあります。

夏の装飾でも同じ考え方が使えそうです。


もう一つ気になったのが、ひまわりの間に設置された透け感のある布です。

風で揺れる薄い布が入るだけで、黄色一色のひまわりに青系の色と動きが加わり、
見た目にも少し涼しさが出ています。

近くから施工方法を見ると、布の端を木材で挟み、ビスで固定しているようです。

遠くから見たときには意識しなかった部分ですが、近づいてみると意外とシンプルな納まりです。

こうした布を屋外で使う場合、自分たちで施工するとしたらどの程度風を受けるのか、どのように固定するのか。

ある程度風でなびかせることが、ディスプレイとしての美しさでもあるので、
固定と魅せ方と、両方を両立させることが大切です。

そんなことを考えながら見るのも参考になりました。


パラソルは日中だけでも装飾として成立していた


ミッドタウン・ガーデンでは「PARASOLS GARDEN」が展開されていました。


芝生の中には、白をベースに青、黄色、赤などを組み合わせたパラソルが点在しています。

真夏の日差しがかなり強い時間帯でしたが、その中でカラフルなパラソルはよく目立っていました。


パラソルというと日よけとして使うイメージが強いですが、ここでは装飾物として、低い位置に配置されていました。

同じ形の商品を、向きや位置を変えながら点在させるだけでも広い芝生を使った演出になります。
パラソルがカラフルであること、ある程度の大きさがあること、「夏」感があること、あたりがポイントでしょうか。

特注の大型造作物だけでなく、既製品を複数使って空間をつくる方法として参考になりました。




そして今回、つい見てしまったのが固定方法です。



パラソルからワイヤーが伸びており、かなり強く張った状態で固定されていました。

一方、傘の部分は地面から浮いており、柄の部分が直接芝生へ差し込まれているように見えます。


地面の中は見えないので実際の深さまでは分かりません。

ただ、見た感じではかなりしっかり差し込まれているようでした。



パラソルの柄の部分だけで固定しているので、相当深く地面に挿しこまれていないと、
強風にあおられた際に飛んで行ってしまう恐れがあります。

特にパラソルは、風をもろに受け取ってしまうので、この固定方法は大変興味深かったです。

何㎝くらい埋まっているのでしょうか

普段の仕事でも、デザインを見て「これを使いたい」と思ったあとに、「ではどうやって固定するか」という話になります。

今回のような芝生だからできる方法もありますし、タイルやコンクリートの場所なら別の方法を考えることになります。

装飾そのものを見るだけでなく、設置場所と固定方法を一緒に見ることの大切さを改めて感じました。




ASHIMIZUは「涼しい」がそのまま体験になっていた



同じミッドタウン・ガーデンには、既存の小川へ足を入れて涼める「ASHIMIZU」もあります。

視察したのは17時頃でしたが、小川沿いには多くの人が座り、実際に足を水へ入れて休んでいました。


さらに小川沿いにはミスト設備も設置されています。

公式サイトによると、15時30分と17時には小川へ氷を投入する演出も行われています。

写真を撮るための装飾というより、本当にそこで少し涼める。

「夏らしく見える」だけではなく、暑い時期にその場所へ滞在する理由までつくられている点が印象に残りました。


夏のイルミネーション企画を考えると、冬ほど早い時間から暗くなりません。

そのため、LEDだけで空間を成立させようとすると、どうしても演出できる時間が限られます。

今回のように、水、ミスト、造花、布、パラソルなど、明るい時間でも見えるものを組み合わせておき、
暗くなってから光を加える方法は夏季イベントと相性がよさそうです。


公式案内では、18時以降にパラソルや水辺のライトアップ演出が行われています。
今回はそこまで見ることができなかったので、夜の見え方についてはまた機会があれば見てみたいところです。




昼間だったからこそ、配線まで見えた



ASHIMIZU周辺には、夜間演出用と思われるアッパーライトも設置されていました。

明るい時間なのでライト自体は点灯していませんでしたが、その分、器具の置き方や配線がよく分かります。


特に気になったのが、アッパーライトまで伸びる配線の処理でした。

周囲は天然の芝生ですが、配線が通っている部分には細長く切った人工芝のようなものが上からかぶせられており、
コードを目立たせないように処理しているように見えました。

写真で完成した夜景を見るだけでは、なかなか気づかない部分です。



イルミネーション施工では、商品をどこへ置くかと同じくらい、
「そこまで電源をどう持っていくか」を考える必要があります。

特に日中も人が利用する施設では、点灯していない時間に器具やコードがどう見えるかも無視できません。

こういう細かい部分は、現地へ行って明るい時間に見たからこそ確認できました。




夜を見られなかった分、施工を見る視察になった


今回の視察では、結果的には光よりも、
布をどう留めているか、パラソルをどう固定しているか、アッパーライトの配線をどう隠しているか、
そんなところばかり見ていました。

夜間のライトアップを見られなかったのは少し残念でしたが、日中の視察にもかなり発見があります。


冬のイルミネーションと違い、夏は暗くなるまでの時間が長く、装飾や器具が明るい状態で見られる時間も長くなります。

だからこそ、昼間でも成立する素材選びや、固定・配線を含めた見え方は、夏の空間装飾を企画するときの一つの判断材料になりそうです。

完成した演出を見ることはもちろん勉強になります。

一方で、「これ、どうやって付いているんだろう」と一歩近づいて見てみると、
企画や施工へ持ち帰れるものがまた違って見えてきます。


今回はそんな視察になりました。




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